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File⑩

・「予想したことが実現した時に我々は至上の喜びを感じる。期待の不安のいずみの中で正方

  向に働いた結果がそうであり、失望しなくてもいいという理由である。」

 

・「水虫に悩まされ、歩くことも辛くなった。きっと悪行への天罰なんだろう。」

 

・「心の中に描いたもの。具現化することで、確信を憶える。顕在的意識の中でよみがえって

  来る事実を確かめるために。」

 

・「光る球が浮かんでいる。たましいを売った善人とたましいを買った悪人と商売はいつの時

  代にも存在する。」

 

・「祝福されて結婚した方が望しい。祝福されないカップルには味方がいない。誰もが安心と

  安全を願う。人間とはそういう風は保守的にできているものだ。」

 

・「こんな夜中にだれだろう。勝手口のドアの前に立っている。よっぽど暇な人間なんだろ

  う。」

 

・「全世界に認められた男がいる。きっと完全性に近い人間なんだろう。でも私は平凡であり

  たい。平凡ことがこの世で、この世界で一番認められた人間であるからだ。」

 

・「うずくまった子猫がいる。お腹を空かしているのかうずくまって身動きしない。目をそら

  した一瞬ではあるが、こちらを見て上目遣いに笑ったような気がする。」

 

・「今日も又、一日が終わろうとしている。時計を見れば午後4時。何をするにも遅い時間だ

  し、何もしないのでは早い時間であることは間違いない。」

 

・「岩肌が見える小さな山。登ってみたい気持ちもあるけれど、実際登ってみたら辛い予測が

  つきため息が出る。仕方がない。仕方がないというは、私の心臓は息切れに耐えきれな

  い。何度か経験した不整脈。もう苦しいのは嫌だ。」

 

 

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