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File④

・「朝の光を感じ、風を身体一杯に受け止めて、日曜の朝を迎える時、この上なき幸せを感じ

  るものだ。人間は至極日常的な空気を読んで感動する生き物ではないか。」

 

・「めだかが藻にからまってもがいている。自業自得の現象論を見た。」

 

・「唯物論と唯心論。我々は常に物に心があるのかないのかを議論している。しかしそのこと

  自体が無意味でどんなに味気ないものなのかに気づいてはいないのだ。」

 

・「殺気に満ちた老人の目。あなたのそのまなざしは一体どこから発せられるのか、今まで生

  きて来た証かもしれないけれど、そんな悲しい目はしないでくれ。」

 

・「鏡に写る自分の顔を見た。いつしかしわだらけになった顔、きっと生きるストレスがそう

  させたのだろう。明日があればいいのだけれど。」

 

・「夢から目覚め現実に戻ると、いつしか見た田舎の風景が見えてきた。破論の男性が近づい

  て来て言うには、あなたの道徳はもう消えたんだよって笑った。歯こぼれた口元はとても

  憎悪に見える。」

 

・「定義。そう何よりもすべての人間の行動には、形にはめられたカテゴリーがある。でも思

  う、そんな人生なんて何よりもつまらないじゃないか。」

 

・「議員会館に入って“ごめんください”ってあいさつすれば、新派の男性が出て来て、ここはあ

  なたの来る所じゃないよって言う。そう俺は旧派の人間だ。」

 

・「その昔、アリストテレスは形而上学の中で語った。人道主義的な人々によって、この世は

  破壊され、混沌とした暗闇の中に突き落とされた。博愛的精神ほど偽善的抽象性を持った

  ものはないんだと。」

 

・「パーキンソン病の患者は好きで震えているんじゃない。ただただ、この世が恐いだけなん

  だ。」

 

・「廃墟と化したオリンポスの神々よ、あなたたちは何をもって神殿にたたずんでいるのか、

  きっと恋人を待っているんだろう。」

 

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