狛犬
愛好会
File⑧
・「至上高徳なるものよ、何を考え何を感じているのか、ピラミッドの底辺にいる我々には理
解出来ない事象を利用しようというのか、我が生涯をかけても阻止したいような気分にな
るのは当然なのか。」
・「人間は常に戦い続けなければならない。戦い続けそして勝たなければならない。でもいつ
かは負ける時がやって来る。その時こそが至上の喜びとなるのだ。」
・「特異的なる者よ。何ら変わりばえのしないこの世の中で何をもがいているのか。焦れば焦
るほど自分というものを見失う。きっと人間ってかなり貧弱に出来ているんだろう。」
・「朝来の雨。この時期、暗く淋しい雨が降り続く我が心を洗い流すように。」
・「朝のコーヒーはうまい。誰しもが目覚めた時に何か づしたいことを欲するものだ。苦い
コーヒーを飲むと気合みたいなものが入り、やる気が出て来るのは何故だろうか。きっと
単純に出来ているんだろう。」
・「善の張本人。悪の張本人。どちらでもいいじゃないか、不道徳でなければ。」
・「悲運の人よ。悲しまないでくれ。君がいるから喜びを勝ちとる人がいるから。」
・「思考能力の過渡現象はいつの時代も、いや今この時にでも感じざるを得ない。何かを考え
租借して反省し肯定し、行ったり来たりしている。どんなに奥深く考えようが何故か単純
なものになってしまう。どうしたらいいのかわからなくなった時、外へ出て大きく伸びを
して、深呼吸をする。やっぱり人間って単純だ。」
・「若い女に声をかけてみた。警戒心もなく笑いながら話をする。多分何も考えてないんだろ
う。」
・「今日という日はもうやってこない。でも記憶というものがある。それでも忘れてしまうと
いう現実がここにある。記憶の蓄積は頭重感の原因になるものだから。」