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File③

・「偽善者よ見るがいい。真っ白に染まった少女の心に触れることが出来るのか。水と油が分

  離する様にお前の手は少女の心に近づくことも出来ないじゃないか。偽善者よ恥じるがい

  い。それが現実というものだ。」

 

・「想念は理念に移行することはない。両者は全く相入れない存在だからだ。」

 

・「薬の乱用は決してほめられたものではない。頭痛がするのは副作用なのか、嫌な予感がす

  る。極めて悪質な頭痛は容赦なく襲いかかる。薬を飲まなくては。」

 

・「ペットボトルの水を飲んでみた。変な味がする。でも喉の渇きをまぎらわすには変な味で

  も飲まなければいけない様な…きっと飢は全ての悪行をも超越するのだろう。」

 

・「車のエンジンの音で目が覚めた。こんな夜中に誰だろう。睡眠の邪魔をするんであればや

  めてもらいたい。不眠症の原因となるのは、そんな感情にかきたてられる思考性なんだろ

  う。」

 

・「泣いている。笑っている。怒っている。悲しんで苦しんでいる。そう人間的である。」

 

・「写実的な人間と抽象的な人間がいる。考え方が違うのか、感じ方が違うのかよくわからな

  い。でも、一言で言えることは両者共、人間である。」

 

・「目の前に大きなそして壮大な海が拡がっている。点在する島々は波をかぶり見え隠れして

  いる自然という大きなものの前ではどんな理知的な人間も無力だ。」

 

・「この歳になって身体の生理的な繰り返しがわかってくる。不思議なものだ。子供の頃は何

  も考えずに毎日を送って来たのに。時の流れが理解出来る様に身体の動きもわかってく

  る。人生の最終章に入って来たみたいだ。」

 

・「原始的な重み。近代的な重圧。ストレスとリスク。嫌な時代を迎え常に考え事をしてい

  る。きっと大人になったんだろう。大人って嫌なものだ。出来るものなら過去に経験した

  精神の昂揚をもう一度味わいたいものだ。」

 

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