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File⑤

・「厳粛なる神寺を訪ねてみた。神木と呼ばれる巨木は天高くそびえたち我々の心を魅了す

  る。きっと仏様達は、神仏の神秘さをより確信させたいと言う気持ちで一杯なんだろ。」

 

・「暇と退屈は異質のものである。暇は心穏やかに時間を過せるもの、退屈は悪質な怠慢に他

  ならない。」

 

・「携帯電話は都合がよさそうで、都合が悪い。人間が目と目で話しをしてる時、嘘はなかな

  かつけないが、携帯電話の中の話では嘘ばっかりの虚構の世界を生み出すものである。」

 

・「運命と宿命は基本的に違うものである。運命は自分の意志で変えられるけれど、宿命はど

  うすることも出来ない天命みたいなもの。でもあきらめはしない。」

 

・「カーテンが揺れている。きっと自然の恵を与え、我々に幸せをもたらすものだろう。」

 

・「限界集落。地域性を生かした特産物。だれしもが憧れる過疎地の生活。生きてる以上つき

  まとうストレスは何処にでも、誰にでもやって来る。希望と絶望が繰り返しやって来て、

  破壊への道へと導くのだ。なんと皮肉な。」

 

・「昨日から今日、今日から明日へとつながる毎日に不安を憶える。いつしか止まってしまう

  時間、我々の生への希望はどこまでも続くかのように考えられるが、やがて時は止まって

  しまうのだ。」

 

・「木目調の会話。見た目以上高級的に見えるが、はがしてしまうと何のことはない、虫に食

  われボロボロになったベニア板しか見えやしない。」

 

・「孫が砂遊びをしている。無邪気に楽しんで泥だらけになりながら。形成された砂の山は、

  立派にそびえている。孫が満足しているのは、砂の形成ではなくて、親からほめられるこ

  となのだ。」

 

・「風車が時計まわりに回っている。回ることで喜びも悲しみも超越したかのように。」

 

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