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狛犬
愛好会
File②
・「パラノイアに犯された少年には、日常茶飯に行われる井戸端会議の風景は奇妙なものにし
か映らないだろう。だって狂気の世界に道徳なんて通用しないのだから。」
・「灰皿の中は吸い殻で一杯である。息苦しそうに吸い殻達が泣きわめいている。きっと首輪
をかけられ鎖につながれた犬より辛いのだろう。」
・「多次元に住む悪魔は地獄の鬼より恐いかもしれない。ゆがんだ次元にもがき苦しむ自分た
ちの頭の中を想像するようだ。」
・「時々ではあるけれど、覚醒した自分を発見することがある。酔いから覚めた自分ほどみじ
めなものはなく、残り少なくなった一升瓶をうらめしそうに見つめるだけだ。」
・「聖王のいる国。我が日本にはあり得ない。生きる物もいつかは滅び、くち果ててしまう。
庭に咲くパンジーのように。」
・「子供がパズルで遊んでいる。実に楽しげに無邪気に屈ったくのない笑顔の下に親に対する
反発もあるのだろう。口元にはうすら笑いが見えている。」
・「虚勢を張るのもいい加減にしたらどうだ。お前のことなんて偉いとも思わないし立派だと
も思わない。ただのナルシストじゃないか。」
・「オマージュ。いい言葉だ。だれしもがせん望し、うらやましいと思わせる。きっと人間と
いう生きものはきれいで清純な言葉に弱いのだろう。」
・「多欲的人間の在り方は、正統性を欠いている。本性はいつも裏切りの世界の中で生き続
け、欲のない人間は死滅してしまう。きっと神様のいたずらに違いない。」
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